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コロナ後遺症と漢方治療

このページにアクセスありがとうございます。

このページは公にはしておりますが…トップページで最小限の告知しかしておりません。このため「気付いた時に見られるページ」としてあります。漢方処方を記載するに当たって…アクセスされる方が本当に知りたいという気持ちがあれば、このページにたどり着くと思います。このページは新たな症例があった時には更新します。もしかしたら、このページは意外にコロナ後遺症の肝のページなのかも知れません。

「何故…この様な説明を前に出さないか?」と言えば…余りマスメディアに取り上げて頂きたくないからです。 医学は日進月歩で「今はこの治療が良い」と言われていても、10年も過ぎれば「今現状ではこの治療が良い」と言うのが一般的です。一方の漢方薬は2000年前の漢方処方が今の人の身体に有効です。このことに不思議さを覚えますが、マスメディアは現在だけの話題性だけを重視し報道している様に感じています。マスメディアが取り上げたことに関しては、個人個人の感覚や他の情報を把握し総合的な見地から考え直す必要があると思います。

このページでは、コロナ後遺症の症状に対しての漢方処方を記載しますが…
東洋医学的に病状が把握出来なければ…利用できないことをご理解の上、ご参考になさって下さい。的確な診断できなければ病態は悪化します。また1人1人で症状の組み合わせが異なっており、全ての症状から治療をすることもできず、加えて症状の強さなどから治療の優先順位を決める必要もあり、診察の時の身体の状況での漢方処方を行わなくてはならない難しさがあります。

具体的には両脇の熱(肝臓や脾臓の充血)と言っても左右差があることが多いものです。これを左右均等な漢方処方で治そうとしても治りません。肝臓の鬱血より脾臓の鬱血が強ければ、柴胡剤を使う一方で黄連剤を付け足す必要があります。この様に時々に応じた機敏な治療が「コロナ後遺症」には欲求されると感じています。診察にて柴胡剤と黄連剤の区別が診断できない方にには「コロナ後遺症」の漢方診療をお勧めしません。個人差により左右差があり、この部分を間違えば病状は悪くなります。申し訳ありませんが「怠さ=補剤(補中益気湯など)」などの感覚がある方には「コロナ後遺症での漢方治療は無理」だと思います。

患者さん方がこのページをご覧になった場合にお願いがあります。「この漢方処方がネットにあったから使って欲しい」という医師へ要望をする様な行動は止めて頂きたいと願っています。症状が合っていても身体の状態と漢方薬が合っていなければ、その処方を服用したとしても結果的に悪化したりすることが多いことをご理解下さい。

症状別視点と漢方処方

1)倦怠感:一般的な風邪の後遺症と同じで胸脇苦満と胃熱が殆どで、腸は虚血傾向で肺は熱を帯びている状態でもあることが多い。この症状は一般の風邪の熱の遷延や怠さの遷延の漢方治療をしていけば経過は良好になる。比較的治療は容易な一方で発症から治療開始までの経過が長いと治療期間も自ずとから長い傾向になります。
→ 漢方処方:倦怠感改善の補剤である補中益気湯・六君子湯・十全大補湯などを処方することは殆どありません。身体の臓器に鬱血が基盤となり倦怠感があるという視点を考え治療をする必要性を感じます。例えば、五苓散を使うならば五苓散によって水分を駆逐する時に生じる熱を取る視点が重要に他なりません。清肺排毒湯は臓器の充血を取るのと同時に「五苓散」で水分を駆逐しています。このことからも充血している臓器を見つめる視点が大切だと思われます。補剤(特に補中益気湯)で治らないと来院する患者さんは少なくありません。
 倦怠感が強い時に両脇の熱が確認されれば竹茹温胆湯を基本にして身体に応じて小青竜湯や桂枝湯を併用することが多くなります。これは竹茹温胆湯が体内部の縦横基盤の処方で、表裏(皮膚と内臓)の観点を持っていないことから小青竜湯や桂枝湯を併用し三次元的に処方を合わせていることになります。胃熱だけの倦怠感もあり黄連解毒湯を基盤にして治療して行くこともあります。また両脇の熱の左右差で胃熱が強い場合、胃熱を取っていると身体が変化して両脇の熱が出てきて治療を変えることもあります。患者さんの経過は、それぞれで異なります。その時の身体に合わせた治療が欲求され、その状態把握が大切になります。

2)胸痛・胸部違和感・動悸:胃熱が原因のことが多く治療は容易であることが多い。胃熱がある胃炎での胸痛や動悸と同じ様な漢方治療をしていくことになります。
→ 漢方処方:胃熱ですので黄連剤である黄連解毒湯が基本になることが多い様です。他の症状も加わることも多いことから診察時の充血の強い臓器の把握が重要になります。胃熱が強ければ、この治療を重点に、またその他の症状の治療を少し加えて行きます。基本的に胸部症状の他にも症状があることが多いことから、胸部症状が治って行く時に他の症状が出現することもあります。

3)咳痰:胸脇苦満と胃熱に加え腸熱も加わっていることが多い。気管支喘息の漢方治療に似ていて治療は容易であることが多い様に思われます。
→ 漢方処方:この症状の身体の状況からすれば柴胡と黄連が入っている柴陥湯が基盤になることが多く、夜の咳が強ければ麻杏甘石湯、鼻水が多ければ小青竜湯を併用することが多い。例えば補剤に属するような麦門冬湯や苓甘姜味辛夏仁湯などは冷えによる処方なので殆ど使いません。咳痰だけならば良いのですが、コロナ後遺症の特徴として個人個人で症状が異なる上に臓器の鬱血が必ずあります。この治療が先に来るのか? 他の治療を優先するのか?ということへの視点が大切です。

4)脱毛:左下腹部の力が落ちており虚血がある。加えて胸脇苦満や胃熱のどちらかがあることが殆ど。経過に従って漢方治療していれば治療は難しくないが治療期間は長いことが多い。女性に多いのですが円形脱毛症の様な髪の毛の抜け方はありませんので非常に心配するような病態でもないと考えています。
→ 漢方処方:左下腹部の力の低下は当帰芍薬散の適応になることが多い。同時に充血している臓器が肝臓であれば柴胡加竜骨牡蛎湯などの柴胡剤脾臓であれば黄連解毒湯の黄連剤を併用することが必要です。最初は柴胡剤や黄連剤を使っていたら下腹部の力の低下が鮮明になり当帰芍薬散を使うことも多くあります。また味覚障害や嗅覚障害の治療中に脱毛が現れることもあり、絶えず全身状態への配慮が大切です。特に柴胡剤を使っていると脱毛が起こり当帰剤の追加をすることが少なからずあります。
 但し…脱毛の度合いは部分的に脱毛するような円形脱毛症の様な病態ではなく、全体的に脱毛して行くことが一般的で分け目が少し薄くなる程度で、脱毛が第三者から分かることはないと思われます。脱毛症に対しての不安感を持つことはないと思われます。

5)嗅覚障害:胸脇苦満と胃熱があり、咳痰と同じ様な身体であるものの症状が異なっていて個体差の様に思われる。花粉症の漢方治療と似ていて一般薬と漢方薬との併用治療で症状が徐々に改善して行き治療自体は難しくないことが多い。Bスポット治療をしても嗅覚障害が残るケースが多くあります。これは嗅覚障害の原因臓器が鼻ではなく…その背景臓器の胴体にあることを物語っています。
→ 漢方処方:嗅覚障害がでることは強い花粉症の症状と似ています。両脇の熱といえば黄連と柴胡が入っている漢方薬の荊芥連翹湯などが基本ですが…腸にも実熱があることが多く辛夷清肺湯を併用することも多い様な気がします。この処方が全く効かないこともあります。このため患者さんの体調に応じては荊芥連翹湯の代わりに竹茹温胆湯や、辛夷清肺湯の代わりに小青竜湯を使う場合もあります。個人差を加味しながらの治療となります。ここに提示していない処方を併用することもあり、コロナ後遺症への治療は固定しているものではなく千差万別であることを念頭に置く必要があります。一方では、嗅覚障害に焦点を当てた治療をしなくても倦怠感の改善とともに治っていくケースも多いことを臨床を通して多く認められます。

6)味覚障害:充血の臓器は個体差が多いのが普通で、胃腸が弱く胃熱があることが多い。コロナ後遺症漢方治療の初期では亜鉛入りの胃薬と共に漢方治療をすることが多くありましたが今では一般の胃薬を投与することが多くなりました。胃腸が弱いことが多いことから、漢方治療中に下痢することが多く少し治療が難しい部分もあるが、全身状態の改善と共に時間と共に徐々に改善することが多い印象を持ちます。
→ 漢方処方:味覚障害がでることは胃腸炎の様な症状が基盤にあることが多いことが臨床を通じて感じます。胃熱といえば黄連剤である黄連解毒湯が多いですが…人それぞれに異なるので定型的な治療はありません。一般医学の亜鉛入りの胃薬と共に漢方治療をすることが多くありましたが臨床的には有効である様な感覚はありません。実際に他の医療機関で味覚障害の患者さんの亜鉛を調べたら下がっていないとの報告もあり亜鉛と味覚障害との関係は余りないと考えています。加えて…味覚障害は嗅覚障害と連動している場合も多く、嗅覚障害や他の症状と共に味覚障害も取れていく症例を多数診ています。

7)上肢の痺れ:左右差は両脇である胸脇苦満(右)や胃熱(左)の充血と表症が連動していることが多い。漢方治療の原則に従って治療していれば徐々に改善する。
→ 漢方処方:上肢なので発表を目的に桂枝湯を投与することが多い様に思います。コロナ感染が葛根湯系であるからか、麻杏苡甘湯などの胸部に作用する漢方薬は余り使いませんし効きません。右・左は上記説明のごとく診察して黄連剤か柴胡剤を併用しています。

8)上下肢先端のしびれ:季肋部に熱を持ち気の流れの停滞により起こす症状であると思われ、コロナ後遺症の一般的治療をしていけば治癒すると考えられる。
→ 漢方処方:脾臓や肝臓の鬱血により、主に季肋部の気の流れが停滞することが基盤となってしびれ症状を示しているに過ぎないと考えられます。普通の漢方治療をしていれば治って行くのでは? それでもしびれがある時には「季肋部の臓器の鬱血」に視点を移し、正確な診断をすることが欲求されると考えています。薬草としては枳実や香附子などに注目すれば良い一方で鑑別が必要となって来ます。

変わったコロナ後遺症

1)コロナ感染症から数ヶ月後に症状が出現する症例
この様な症例は上記の様にコロナ感染後に臓器の充血があるものの本来身体に備わっているバランス是正の機能により症状が出ていない様に感じています。身体が疲れてくると症状が出て来ることは他の病気でも多いことですので、同じ様な機序により発症するものと考えています。

2)コロナ感染不顕性感染後に後遺症症状が出現する症例
コロナ感染の不顕性感染でコロナ後遺症症状が出てきている例を臨床で経験しています。不顕性感染でもコロナ後遺症症状が出てくることに驚きを感じています。しかしながら、この様な場合でも治療の基本は変わりません。

3)コロナ後遺症がなかなか治らない症例
コロナ後遺症は症状が多彩ですが、その一つ一つの症状に驚いて完全に治さなければ不安であることを感じている患者さんが少なくない様に感じています。コロナ後遺症は色々な症状は出ますが命を取りに来るわけではないので…悠然と構えて治療をすることが大切だと考えています。
 コロナ後遺症の症状は多彩で色々な症状がでますが、その治療途中の時点でも良くなっている症状もあります。しかしながら、その良くなっている症状には目を向けず、次の新しい症状に眼を向けて恐怖感を抱いている患者さんが多くいます。この様な患者さんには治療は困難であることに他なりません。「時間がかかることもあるが治る」という視点が必要で、また良くなってきた症状にも目を向け、残っている症状に拘ることを避けることも重要です。暗闇の星の光を見るか? その星の光を見ずに暗闇を見るか?ということをムンテラ(言葉による治療)することが必要になるか?と思います。

4)コロナ後遺症治療中にコロナワクチン接種を受け後遺症症状が悪化するケース
コロナ後遺症治療中にコロナワクチン接種を行い、症状が悪化することは良くあるケースです。コロナワクチン接種に関してはご自身の判断を尊重しています。一方では…コロナ後遺症症状の悪化も珍しいことではないのが実情です。「ワクチン接種をするかどうか?」は患者さんご本人が判断する以外ありません。コロナワクチン接種を否定してはいませんが、コロナ後遺症を治療している医師の自分の感覚では「また…最初に戻ってしまった」と感じることも少なくありません。

5)コロナワクチン接種後にコロナ後遺症症状がでる症例
こんな症例もあります。コロナワクチン接種後に怠さや頭痛などが現れ登校ができなくなった患者さんを診察していますが、基本的にはコロナ後遺症の漢方治療と変わりません。症状が出てから治療までの時間に左右されますが、基本的には治っていきます。まずは脱力感を主体に漢方治療し…3週間ほどで登校が可能となり1ヶ月後の修学旅行に行ける様になった症例を経験しています。頭痛が残るとのことで脱力感と頭痛に視点を当てて治療を継続しています。2022/01/12更新

まとめ
1人1人で症状の組み合わせや経過が違っており、どの症状を出している臓器の治療からはいるのか?という視点が大切だと思われます。コロナ後遺症は、症状の組み合わせに個人差が強いため患者さんの症状と身体の状況を見極めながらの治療が必要です。加えて、治療経過も一人一人で異なることから、その時々の身体の状況を判断して治療をしていくことになります。コロナ後遺症の患者さんの多くは色々な症状に悩まされ精神的に疲れていることも多く、励ましながらの治療をすることも少なくありません。逆に余り気にしない患者さんの経過が良いのが面白い部分でもあると感じています。

最後に、素人判断の症状対応の漢方治療では悪化することも多いことをご理解の上、ご参考になさって下さい。症状のみに注目しての漢方治療は殆ど効果がないか、悪化することを念頭にお考えになって頂ければと思います。このコロナ禍により…現代医学の視点に漢方医学の視点の融合への重要性が秘められており、今こそ現代医学と漢方医学が融合できる絶好の機会であることも大きなポイントです。

2022/01/12更新
2021/12/05更新
2021/11/20更新
2021/11/14更新
2021/11/12更新
2021/11/10更新
2021/11/08更新
2021/10/24更新
2021/10/20更新
すぎ内科クリニック院長:杉

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