Case症例

便秘

便秘は日常的な症状ですが原因は多種多様です。
日常的な症状ですが、大きな問題がある時があります。
また寒熱がどうであるのか?を考えることが治療への道筋です。

便秘とは?大きな病気がないことの確認が最初

便秘でも大腸癌の場合もあり、便秘以外の他の症状があるかどうか?がひとつの目安となります。大腸癌の場合は食べられずに痩せて行きます。そんな大きな病気は全体の便秘の数パーセントしかありませんが、癌や腸の狭窄が否定的であることが内科治療を受ける最初のステップです。

現代医学の考えとしては、「便秘は排便がないこと」を言うのですが。ここに大きな盲点があります。それがどの様な機序で起きているか?ということです。腸の狭窄ならば外科的な対応が必要です。その後に考えることは腸の寒熱の問題です。

腸の寒熱の問題を考える

1.熱による便秘

不思議なことに男性よりは女性に多いのが便秘です。若い女性に多いのが生理の前に便秘傾向になり下腹部が張ることです。生理前は下腹部が充血しています。その充血での熱が腸に波及し腸での水分吸収が強くなるものと思われます。この様な場合には下腹部の生理のうっ血を取る下剤(駆血剤)の漢方薬が良く効きます。

2.冷えによる便秘

病院の勤務医時代には老人に便秘が多いことを実感しました。内科的管理のお年寄りは寝たり起きたりの生活が精一杯の状況ですので、腸に熱が貯まって便秘をすることはありません。これは若い人と反対の冷えによる便秘ということになります。現代医学の便秘の治療はいつも同じで、緩下剤を毎食後に、また眠前に下剤を処方することが多いとは思います。これで3日以上、排便が無ければ下剤をするのが一般的でした。

この様な場合には腸を温める漢方治療が有効になります。便秘=大建中湯という図式で処方される医師も多いのですが、大建中湯まで必要か?と言うことも考えます。大建中湯の腹診では、腹部の皮膚が薄くなっていることから腸が動いている姿が皮膚を通して見えることが重要なポイントです。外来患者さんでは、そこまで腸が冷えている患者さんは殆どいません。胃腸を温める治療をすることは当然ですが、大建中湯は行き過ぎかな?とは思っています。

実例

手術をしてから便秘が強く、朝夕にレシカルボン座薬を入れないと排便がない30代女性の患者さん。例によって、大建中湯を飲んでいるがレシカルボン座薬を使わないと排便が出来ないと。

この様な時は一般的に胃腸を温める漢方薬を使えば良いと考えています。実際には大建中湯ではない、ごく普通の胃腸虚弱の漢方薬を投与し、整腸薬を併用すること数ヶ月。座薬を使わなくても排便があるようになったと。排便があることが普通の人なんですから普通のレベルまで戻せば、それで良いじゃないかな?と思います。その患者さんは今は整腸薬のみ処方しています。

大建中湯の処方説明

大建中湯の薬草は、「乾姜・人参各3.0:蜀椒2.0:膠飴20.0」という薬草により構成されています。

イレウスに大建中湯が良いと言われてますが、イレウスが悪化するケースもあるように思われてなりません。漢方薬に取って現代医学の病名投与は当てはまらないことが多く危険です。漢方医学と現代医学の視点が違うからです。そんなことをもう一度、考えて頂きたいと思います。漢方薬投与において、現代医学の病名投与の半分以上は効かない様に感じています。

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