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コロナ後遺症概略

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コロナ後遺症概略

コロナ感染だけでなく、コロナ感染後遺症が増えています。
また現状の日本だけでなく世界でコロナ感染が蔓延状態にあることから、コロナ感染がなくなることはないと思われます。インフルエンザに取って変わる様になって行く様に考えられます。しかしながら怖がることはありません。

コロナ後遺症のメカニズム
このコロナ感染の後遺症はウイルスが残って症状を起こしている訳ではなく、風邪の一種であるコロナ感染により引き起こされた内臓に充血が残り…その臓器の充血が症状を出す別の臓器に力を作用させ後遺症として症状が出ている姿に他なりません。

この様な症状は一般の風邪の後でも少なくはありません。
風邪の後に怠くて仕方ない…という受診や、咳が止まらない。さすがに味覚障害や嗅覚障害は少ないですが、一般の患者さんでも味覚障害や嗅覚障害の患者さんを診察していて感じることは症状を出している臓器とその臓器に力をかけている背景臓器の存在があることです、このことは、コロナ後遺症とも何の変わりもないように感じています。特にコロナ後遺症が特別視されていることに違和感を覚えます。

「そんな馬鹿なことがあるのか?」と。特に今までの専門家と称する方に指摘されるかも知れません。しかしながら…それは臨床をしていて感じる一般的な現象に他なりません。具体的には、物理法則で理解されている様な簡単な実験でも、この様な現象は確認できます。「容器に入れた風船の原理」を思い出して下さい。容器を減圧すれば風船は膨らみます。この場合に大切なことは風船自体をコントロールしている訳ではなく、回りの空気圧を変えていることです。容器の陰圧に合わせようと風船内の圧力を陰圧にしたいことから膨らむことになります。このことと同じ現象が身体にも起きていて後遺症症状を作り出していると推測できます。実例の風船の現象は理解できるが…身体でも原因臓器と症状を出す臓器が異なって後遺症が起きていることを疑問視するのが専門家の現実の姿では?と思い残念に思います。繰り返し言いますが…症状を出している臓器と原因の臓器は別のことが殆どです。この様な病態機序は他の病気では症状を出す臓器への抗原を作り出し発病することもあります。

上の図は、症状を出す臓器とその症状を出す臓器に力を与える臓器は異なることを示しています。(この病態はBackGroundFieldTheory(背景場理論)として英語で説明しています。今は日本語化に向けて文章作りの毎日です。)症状を出している臓器のみを治療しても治らなかったり治療に困窮するのは、その臓器の背景臓器の状態を考えないからです。

風邪の後に残る臓器の充血
現代医学では「臓器に鬱血が残り他の臓器に症状を出す」という観点はありません。
後遺症の説明は…いつもながらコロナ肺炎でのサイトカインストームの様な身体のミクロ的な代謝の異常を指摘するだけで、その原因である「サイトカインストームを出す症状を出す根源の力がどこにあるのか?」という視点はありません。しかしながら、その状態を作り出す力を生み出す臓器がどこかにあるはずです。それでなくては強い炎症を維持することは出来ません。

加えて「髄液にウイルスが存在するから脳炎になりやすい」という視点も…しっくり来ません。風邪の初期には頭痛が起きることが多くなります。でも風邪の本体は「皮膚と腸のアンバランス」が原因で起こることは葛根湯解析(今回のコラム)から明白です。なぜ症状を出す臓器しか視点がいかないのか? それは現代医学が臓器を分割し病気を把握する一方で、臓器が統合され人間の生命が維持されているという視点にまで至っていないからに他なりません。人間は色々な臓器から作られた一つのシステムに他なりません。一つの臓器は他の臓器との連携をして、その役割を果たしています。この視点から考えれば一つの臓器の病気でも全身を見つめることの必然性が重要であることは明白です。

後遺症の強さは…コロナ感染前の身体の状況が大きく反映される
コロナ後遺症の症例は400例近く診てきました…その感想としてはコロナ感染前の身体の状況により後遺症の強さが異なることを感じています。全ての症状がコロナ後遺症ではなく、身体の基本的な病変(花粉症やアトピー、また胃腸炎を繰り返しやすかったり)によってコロナ後遺症の強さは左右されている様です。このことからすれば全てをコロナ感染の責任にすべきではなく…コロナ感染前の身体の状況を治していく必要がある患者さんが増えています。加えて…コロナ後遺症の病名に隠れている精神不安定の方も多い様です。「コロナ後遺症だから休める」という観点で周囲も許しているケースが多い様です。しかしながら…そのままにしておくと自宅に籠もってしまい、人生を棒に振ることも考えられます。少しでも身体を動かすことが大切です。寝ていて治ることは決してありません(「寝ていなくては悪くなる」という医師もいることに驚いています)。トイレに行けないコロナ後遺症の人はいません。それならば自宅の周りを散歩する程度ならばできる筈です。コロナ後遺症の病名を盾に動かない人は生活を放棄していることから治りにくいと思われます。閉じこもりにならないように周囲の人(特に親御さん)はそのような生活を許してはいけないと考えています。2023/02/05更新

漢方医学的な視点からでは当然の症状
漢方薬の原点である「傷寒論」は今から2000年前に作られた古い本です。
この本には現代医学にはない病気への観点があります。例えば…風邪の病期があり、臓器の充血により多彩な症状を出すことを記しています。現代医学がミクロ的であるのに対して、漢方医学はマクロ的です。このため漢方医学は古い医学と思われがちですが、マクロ的な視点が新しい病気解明への手助けになることも事実に他なりません。それは現代医学がミクロ解析に終始して、ミクロを解析すればマクロも理解出来ると錯覚していることが原因で後遺症の発症機序が考えられない理由なのです。

現代医学のミクロ重視では病態理解が難しい
ミクロがマクロの全てをコントロールしていると考える現代医学は未熟だと思わざるを得ません。何故ならば…ミクロとマクロは相対性を維持しており、マクロがミクロをコントロールしていることも多いからに他なりません。例えば、地球環境は日々変化しています。この変化をいち早く感知しているのはミクロの遺伝子ではなく、マクロである臓器です。マクロがミクロを動かしている事実は他にも沢山あると思えます。

実際には、ミクロ的な生化学的な現象は、マクロの臓器の要請により起こっている現象が多いとも考えざるを得ません。マクロ的な臓器のアンバランス性を念頭に置くことが重要であることに他なりません。


このことからすれば、今回のコロナ感染後遺症についてもミクロだけを解析している現代医学に対しては納得できる回答を得られないと思います。実際にコロナ感染後の後遺症に悩む患者さんの身体を診察すると…風邪の後に残りやすい実質臓器の熱が残っている状態です。傷寒論で言えば「少陽熱」が残っていることが殆どです。この観点は漢方医学のマクロ的な診察によって得られます。

加えて、一般に言われているようにコロナ感染は後遺症があるから「怖い」という観点は間違いです。一般の風邪でも少陽病期の臓器の熱が残り全身倦怠感や微熱、咳などが残ることが多く、この症状はコロナ感染に限ったことではありません。コロナ感染後の後遺症を特別の様に取り上げ、「コロナ感染が怖い」と煽るマスメディアに対しては…「どの様な病態からの現象か?」という疑問に答えずに報道しているのが実情だと感じ残念に思います。

ミクロ的医学とマクロ的医学の視点の融合が重要
コロナ後遺症を診断や治療するに当たって大切なことはミクロとマクロの区別と融合の視点を持つことです。別の言葉で言えば…現代医学と漢方医学の融合の視点とも言えます。

「ミクロ的な運動重視の現代医学とマクロ的な運動重視の漢方医学を統合することができるか?」と言えば…可能であると思います。今まで「現代医学と漢方医学とは統合が出来ない」と考える医療関係者が多かった様に思います。しかしながら、これは間違いです。ミクロとマクロの運動を区別する考えがないから出来ないのであって、ミクロとマクロは別の運動と捉え、加えて相対的運動を保っていると考えれば、現代医学と漢方医学の統合は難しくないと考えられます。

ミクロ的な原子の運動が、なぜ太陽系の様な巨大なマクロ的大きさでもミクロ的運動と一緒なのでしょうか? それは…この世界の成り立ちは、マクロとミクロが交互に存在して成り立っているからだと推測できます。原子的なミクロ的運動→動物的なマクロ的運動→地球運動のミクロ的運動と相互になっています。マクロとミクロは別物の運動であることから、ミクロからマクロを、またマクロからミクロを把握することが出来ず、ミクロとマクロは独立した存在として相対的運動として連携していると考えることが将来の医学に取って重要に他なりません。

この様な視点を持って診察すればコロナ後遺症の原因は、一般的な病態として認知される様になって来ると思われます。この様な観点は総合内科医に持って頂きたい病気への視点です。現代医学では臓器や病気別に診療科が分かれています。それを適切な科に依頼することだけではなく、実際の病気という現象が「一つの臓器の症状でも、その背景臓器との関連がある」との視点を持って頂きたいと願っています。(2021/06/06:追記)

当院でのコロナ後遺症の治療
以上の様なことより、今現在のコロナ感染後遺症は一般薬と漢方薬の併用治療で治癒していくことが最善であることが示唆されます。このことから当院ではコロナ感染後遺症の苦しんでいる方の治療を漢方薬を併用しながら積極的に行う方針です。徐々にコロナ後遺症の患者さんが診察にいらっしゃいますが…それぞれの身体に合わせて治療をしています。最後にコロナウイルスに感染してもコロナ後遺症で怖がる必要はないと思いますが、焦らないで治療をして行くことも大切です。コロナ後遺症が発症していからの時間が長い場合は、受信後の治療期間も長くなることが一般的です。

2023/02/05更新
2021/01/25

すぎ内科クリニック
院長:杉

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