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コロナ肺炎理論的解析

コロナ感染には重篤な肺炎が続発します。この肺炎ですが初期には発症なく、中盤以降に発症する特徴があります。自宅静養で肺炎で死亡することもあるとのマスメディアの報道もあり、コロナ感染が怖いとの認識があります。しかしながら「自宅静養やホテル療養の時に肺炎に発展するか?」を判断できれば、怖いことはありません。

この様なことから、漢方医学を基盤におき理論物理的な観点から「コロナ肺炎」の理論的解析を行って行きます。漢方医学や物理的な観点からは単純な現象ですが、現代医学には漢方医学の観点や基礎物理が医学に応用できるという観念がありません。このため、このページで改めてコロナ肺炎理論的解析をして行きます。コロナ感染症が一般の風邪になる日を願っています。

1.コロナ感染の初期段階:太陽病期
コロナ感染と言えども普通の風邪の様な症状から始まります。漢方医学的には「太陽病期」に当てはまります。この時期には普通の風邪の様に発熱・咽頭痛・咳痰・鼻水など普通の風邪と見分けが付きません。

数学でトポロジーという分野があります。人間の身体は皮膚と腸に視点を当てれば、口と肛門で皮膚が反転し消化器系を形成しています。この形状をトポロジーでは「トーラス」と言います。その消化器系の中で最も表面積が大きいのは小腸です。このため太陽病期では皮膚と小腸のバランスが崩れ、それを是正しようとしている身体は皮膚と小腸に欝熱を帯びることになります。これが風邪の初期の状態です。この病態は葛根湯解析から考察できます。

コロナ感染の初期

2.コロナ感染の中盤段階-1:少陽病期
風邪の中盤に入ると、皮膚と小腸の熱が身体の内部へと入っていきます。この時期になると実質臓器である肝臓や脾臓に鬱血を来すことが多くなります。柴胡剤は少陽病期の漢方薬の一つには違いがありませんが、ここで大切なのは柴胡剤だけでは対応が出来ないことです。柴胡剤では右季肋部の欝熱ですので肝臓の鬱血と推定されますが、脾臓の鬱血である左季肋部の欝熱も加わることが多く黄連剤の併用投与が必要になるケースが殆どです。この脾臓の鬱血を取る漢方薬も少陽病期の薬に属します。診察上で必要なことは両脇の鬱血の左右差を診断できることです。これにより柴胡剤と黄連剤のバランスを変えて処方をすることが可能になります。症状としては怠さや微熱などが続く状態になります。

コロナ感染の臓器鬱血
(コロナ陽性になると隔離になるため、その前の診察での身体の状態をモデル化しています)

3.コロナ感染の中盤段階-2:陽明病期
陽明病期には腸熱が強くなります。この時期には石膏剤を使うことになります。
コロナ感染においては少陽病期の両脇の鬱血に加えて腸熱も加わることが多い様です。この時期には肺炎にはなっていません。しかしながら陽明病と少陽病の合病になると肺炎に移行しやすい状態になります。自宅静養やホテル隔離の時に、この状況にあると危険です。容易に肺炎に移行して行きます。このことから肺炎に移行する前段階のこの時期に柴胡剤・黄連剤・石膏剤のバランスを考えて漢方治療することが重要になってきます。それには漢方医学的な診断力が必要です。この部分をしっかりと考え確認し診察し治療を開始することが大切です。肺炎を起こす力は肺以外の部分にあることを認識すべきです。

4.コロナ感染の肺炎段階
肺炎になる手前で治療をしていれば肺炎に移行することは少なくなると推測できます。しかしながら、ここまで治療せずに病状が進展してしまうと酸素投与や人工呼吸器が必要になって来ます。それでは、どの様にコロナ肺炎が発症するのか?を理論的に解析してみます。

コロナ肺炎理論的解析

上記の様に少陽病期の実質臓器の欝熱と陽明病期の管腔臓器の欝熱が生まれる状況になることを考えます。漢方医学的には少陽病と陽明病の合病の状態となります。一方の身体は「胴体内エネルギーの均一性を求めること」が物理的に空間安定性を保つことにつながり、人間が空間内で生存する条件となります。このため実質臓器と管腔臓器の欝熱だけでは身体のエネルギー状態がアンバランスであるため、肺にも欝熱が加わることを身体が欲求することになります。この様な現象を経てコロナ肺炎が生まれることになると推測されます。

一般では…コロナ肺炎はサイトカインストームなどが原因とされていますが「このサイトカインストームを起こしうる原動力はどこにあるのか?」という視点や、「肺に炎症を引き起こすことにより身体に取ってのメリットがどこにあるのか?」という考え方が大切になって来るのが考え方の自然な流れだと思います。

ここで着目すべきなのは…基本的に問題なのは肺ではなく実質臓器や管腔臓器の鬱血が基本病変で肺の欝熱は随伴病変であることです。このため肺炎に移行するまでの身体の変化に着目し治療を開始することが重要なポイントになってきます。

5.医学的な要点
現代医学は臓器を別々に診ることが当たり前になっていますが、身体を診るということは「全身を一つとして診ること」の重要性を認識する必要があると思われてなりません。漢方医学は古い医学であることからか?身体を一つの物として診ることを重要視しています。いま現代医学に必要なことは身体を一つのシステムとして再認識することにあります。その観点を取り入れることが現代医学の進歩に重要であり、今が、その時期に来ていると思わざるを得えません。今回のコロナ感染肺炎の解析においても、その様なことを感じています。

2021/05/07
すぎ内科クリニック 院長:杉

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