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免疫への視点

コロナ肺炎は「サイトカインストーム」の様な免疫学的な力が関与しているとも説明されていますが、視点を変えれば今までの免疫に関する概念は大きな間違いであることに気付く時が来ると思います。そのためコロナ肺炎の理論的解析の続編として「免疫への視点」をお話しします。

自己免疫疾患に付いては「免疫抑制剤」が使われます。「自分の身体が自分の身体の臓器を攻撃する」との観念から、その攻撃を抑制する目的で免疫抑制剤が使われます。ここで大切なことは「何故、自分の身体が自分の臓器を攻撃対象にするか?」という視点です。そこに「必然性があれば必然性を消せば自己免疫疾患は治る」と考えるのが自然ですが、この自己免疫疾患に対しても必然性を理解することなく免疫抑制剤が使われます。この最初の視点が現代医学の弱点の一つに他なりません。

アインシュタイン アインシュタインは話します。
「Common sense is the collection of prejudices acquired by age 18.」
常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションである。
「Imagination is more important than knowledge. Knowledge is limited. Imagination encircles the world.」
想像力は知識よりもとても重要だ。知識には限界があるが想像力は世界を包み込む力がある。

常識を信じても将来を作ることが出来ないことを指摘しているアインシュタインの言葉です。知識を沢山持っていても…「本来の自分の視点で眺めた時には別の姿を感じるのでは?」ということが多々あります。常識は今の正しさであり未来を作る原動力にはなり得えません。免疫抑制剤が出来た視点が正しいと思う視点は常識であり、未来にはなくなっている考えなのかも知れません。それは免疫抑制剤は身体が身体の一部分を攻撃するのを防ぐという目的で作られていますが、この身体の一部分を攻撃することに必然性があれば免疫抑制剤を作った視点が間違いだったことになります。


1)リウマチ性関節炎(Morning Stiffness)

リウマチの初期症状はMorning Stiffness(朝の手のこわばり)から始まります。この現象の解析から始めてみましょう。この解析の結果も免疫抑制剤の視点の問題点を示唆できる現象です。

身体における手の位置
子供が考える視点で手の場所を考えられたことがない方が殆どだと思います。ところが…この様な幼稚な視点とも思える思考の方向性が重要な鍵を握っています。つまりアインシュタインが指摘しているように学校で得た知識が創造性を蔑ろにしている事実に繋がります。

上肢と胴体の関係上腕=胸部 肘=季肋部(肋骨に囲まれている部分で横隔膜下の部分)
前腕=腹部 手=骨盤部

上肢と胴体は緊密な連絡を取って体内のエネルギーコントロールをしていると推測されます。現代医学がミクロ的な視野に留まる余り、身体のマクロ的な運動を把握出来ないでいることを物語っています。胴体と四肢は緊密な連絡を保ち身体のエネルギーコントロールをしていると考えると新しい視点が得られますが…ミクロ的な運動だけに着目している現代医学には考えもしない運動が存在することになります。しかしながら全身が一つのシステムとして運動しているという事実を蔑ろにして、ミクロだけに視点を向ける余り、身体のマクロ的な運動に視点を移すことが出来ないこと。これが現代医学の最大の欠陥と指摘できます。

Morning Stiffness(朝の手のこわばり)の発症機序
上記の図を基盤において考えればMorning Stiffnessは難しい現象ではないことは容易に推測できます。リウマチは女性に多いこと、リウマチの初期ではMorning Stiffnessがでることが疫学的に指摘されており、この指摘を証明する変化を理論的に説明することが可能になります。

MorningStffnessの機序上の図の説明をします。
1)生理がある状態で下腹部が鬱血をすると生理が来ている状態
2)閉経近くになり月経不順や閉経を迎え、卵巣からはエストロゲンが出ていて下腹部の鬱血がある反面で生理が来ないため、骨盤充血が強くなっている状態
3)骨盤充血が強くなると身体のバランスが悪くなるため、その充血の熱を逃がすことで身体のバランスを保とうとします。ここで骨盤部と似ているエネルギー的な性格を持つのが手になり、骨盤充血を手に逃がし身体のエネルギーバランスを保とうとします。この機序によりリウマチでの最初の症状と言われる「朝の手のこわばり(MorningStiffness)」が起きることになります。


2)甲状腺機能亢進症(バセドウ病:Basedow Disease)

最近はバセドウ病の患者さんが漢方治療を希望されて来院されます。もちろん「甲状腺に腫瘍があるか?」どうかを専門病院で調べて純粋なバセドウ病の診断となっている患者さんばかりですが「なかなか良くならない」「体調が悪い」などの症状を訴えて当院に受診をされます。バセドウ病はメトトレキサート(免疫抑制剤)などを使用しての治療ですので自己免疫疾患との位置づけの病気になります。

自己免疫疾患の特徴は「自分の臓器を自分の身体が攻撃をして機能を落とす病気」になります。現代医学の説明では「自分の臓器を自分の身体が攻撃をして機能を落とす」という機序を説明するに当たって免疫異常という言葉を使っています。そこには免疫異常を起こす身体の必然性の観点はありません。この様な解釈をする現代医学の視点に大きな問題が秘められていると言っても過言ではないと思います。

バセドウ病の原因臓器バセドウ病の原因臓器
バセドウ病の原因臓器は甲状腺ではなく、その背景臓器にあります。大きく2つに分けることが出来る様で、一つは骨盤充血、もう一つは心窩部直上(季肋部中央)充血ということになります。首にある甲状腺は頭と胴体との境目です。骨盤部も腹部と足である表との境目です。加えて鳩尾直上というのは胸部と腹部の境目です。首ー骨盤ー季肋部は大きな枠(頭部・胸部・腹部・四肢)の境目にある臓器群でエネルギーの性格が似ている場所になると推測されます。

バセドウ病の発症機序
リウマチのMorningStiffnessと同じ様に身体の一部に貯まった充血(熱)を逃がしたいという身体の欲求が根底にあると思われます。上の図での(2)生理が強く下腹部が張りがちな女性は、いつも下腹部が張っており充血の度合いが強い状態にあります。この熱を逃がしたいがために、下腹部とエネルギーの性格が似ている甲状腺に欝熱を逃がすことが身体のエネルギーバランスを是正することになります。また上の図の(3)季肋部の欝熱でも同じで一部分に鬱血がある身体はバランスが悪くなります。このため季肋部の欝熱を甲状腺に逃がすことを欲求するものと思われます。この機序によりバセドウ病が発症します。背景臓器の鬱血と甲状腺(バセドウ病)の関係には個体差によって変わっています。これは不思議なことではなく、外来で臨床をして人間の身体を眺めていると熱を逃がす部位は個体によって変化していると感じています。

この様に自己免疫疾患というのはリウマチでもバセドウ病でも臓器のバランスを取るために、他の臓器の熱の拡散を受ける臓器が免疫の攻撃対象になり起こす疾患と考えて間違いないと思います。ここが現代医学が指摘できていない最大の欠陥と感じます。


3)コロナ肺炎
コロナ肺炎も同じ機序であることは説明した通りですが、上記2症例と比べてみるとコロナ肺炎が肺に原因がなく、その背景臓器により引き起こされている病態であることが良く理解出来ると思われます。実際には一般的に言われているサイトカインストームと言われている運動が、何処の力によって起きているのか?を検討する必要があります。この詳しい説明は「コロナ肺炎理論的解析」を参考になさって下さい。

コロナ肺炎理論的解析
コロナ肺炎でも、リウマチやバセドウ病と同じ様に強い病態を示す臓器には初期の異常がありません。コロナ肺炎で問題なのは肺の背景臓器である実質臓器と管腔臓器の鬱血です。

● まとめ
免疫の異常により引き起こされていると定義されている病気の殆どは正常免疫の上に必然性をもって病気の発症があることへの理解が必要です。強い症状を出す病気や現代医学で治癒にまでもって行けない病気の殆どは、臓器の関連性に気付いてない場合が多く、これからは臓器の関連運動を把握する必要があると思われます。そして身体を一つのシステムとして認識することが出来た時には、現代医学の大きな発展が現実のものとなっているでしょう。

2021/05/23
すぎ内科クリニック 院長:杉

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