Case症例

生理痛

女性により生理痛の強さは様々です。
ただ、その生理痛が下腹部に作用しない漢方薬で軽くなる事実もあり、これから研究の視点になる課題の部分もあります。

まずは婦人科受診を!

生理痛は、婦人科領域の疾患でピルなどを飲まれている方もいます。漢方内科受診に考えるときには一度は婦人科検診を受けて頂きたいと思います。生理の出血が多い場合などには筋腫や腺筋症、チョコレート嚢胞などは良く見つかります。そのため生理痛が酷い患者さんには、当院に受診前に婦人科検診をして頂きたいと思います。

現代医学の特徴は、対象となる臓器を精査することを主眼としています。まずは、その現代医学の視点で、どの様な感じになっているのか?を知ることは必要不可欠です。その上での漢方医学からの視点での治療が有益だと思います。

生理痛での次のステップ

全身を見つめると「胃が悪い人」や「鳩尾の痞えが強い人」に生理痛が強いという特徴があります。勿論「生理出血が多く生理期間が長い女性で生理痛は強い!」というのが現代医学の一般概念ですが、実際にはこの様な症例は少ないのが実情です。現代医学の弱点は全身を診ていない点に他なりません。

女性に取っては生理は重要なことで、生理の波がどの様な感じで来るのかを知ることが漢方内科治療にとっても必要です。そのため当院で生理のことを聞かれること自体、珍しいことかも知れませんが、患者さんに聞くことが多くなります。

それは全身を見つめるという視点が、どんな病気治療に対しても大切だからに他なりません。漢方医学は全身を見つめることの大切さを教えてくれます。

なぜ生理痛が起きるのか?

生理痛を理解するには、身体の構造を大雑把に把握する必要があります。
生理痛と言っても身体は全身で一つであり、全身で生きるという機能をしています。

このため、まずは身体の構造について単純に把握してみましょう。生理が起きる子宮がある下腹部と近い性格を持っているのが鳩尾部分になります。この様な視点が病気治療への大切な視点ではないか?と思わずにはいられません。

生理前には下腹部がうっ血しており、お腹の張り感や下肢のむくみなどが生じます。生理になると生理出血があり急激に下腹部のうっ血が取れていきます。この充血から虚血への変化に身体が対応しきれていないことが生理痛の原因であることが多いと考えています。

左の図は生理前後の下腹部の急激な変化により身体が対応しきれてないことを物語ります。

生理により急激に下腹部が虚血傾向になることから胸とお腹のバランスが一時的に不安定になります。このときに大切なのは鳩尾の気の停滞です。鳩尾の気の流れが良ければ胸とお腹のバランスが整えられ生理痛は弱い傾向にあります。一方では胃が悪く鳩尾の痞えが強い人ほど生理痛が強いということになります。実際に鳩尾の気の停滞を治療する漢方薬を服用して頂くと生理痛が弱くなる方が多くいらっしゃいます。

人間は全身を一つとして、その生を全うしています。生理痛という下腹部の変化でも全身を見つめることの大切さがあるのでは?と考えています。もちろん…この様な身体への治療方法は漢方医学の視点で確立されています。

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