Female Foot Edema更年期障害:下肢の浮腫

女性の下肢の浮腫

女性は生理があり、生理前になると下腹部が張り生理が起きます。
これは健康的な女性の普通の姿ですが、この様な生理前には顔が浮腫んだり、下肢が浮腫んだりします。これは正常な現象で病的な現象ではありません。

女性の生理前や更年期の下肢浮腫の機序

この様なことは身体を一つに診ている漢方医学的な考え方からは当然の出来事ですが、現代医学の臓器別で臓器連携が余りない考え方の医学では病態の把握が困難になります。基本的には現代医学も漢方医学も長所と欠点があり…これを埋めるには現代医学と漢方医学との考え方の統合が必要になります。今では数学や物理的なアプローチで融合が可能になると思われます。しかしながら…気づいている人は少数です。

生理前や更年期では下腹部の充血が現れることが多くなります。生理がある女性は生理が終わると下腹部の充血が取れます。一方で更年期での下腹部の充血は生理を起こさせない少ない女性ホルモンが流れていることにより徐々に下腹部の充血が強くなります。これが更年期での症状の原因になります。

身体は下腹部の充血を他の臓器とのエネルギーバランスを整えようとします。下腹部に充血があるのならば…そのエネルギーを落として他の臓器とのバランスを取ろうとします。身体の基本は身体全体のエネルギーバランスが均一であることを求めます。これは身体のエネルギーバランスの均一さが健康であり、少しでも長生きができる状態だからです。

このため身体は下腹部の充血でのエネルギーが高い状態の是正をしようとします。下肢は下腹部の従属になって構成されていると考えられます。下肢の浮腫により水が下半身に配置されることにより下腹部の充血が身体全体では減弱している様になります。水は血液よりはエネルギーレベルが低いからです。これが下腹部の充血と下肢浮腫の関連性です。

この現象は生理前に下肢が冷えるということと同じです。下腹部の充血が強くなることにより下肢を冷やすことで下腹部の充血を少しでも減らそうとする身体の機能に他なりません。

下肢浮腫の治療の視点

下腹部の充血がなければ下肢浮腫が生じない状況であれば、下腹部の充血を取るのが最善の治療になります。

現代医学ではエストロゲンが減っているのだからエストロゲンを増やすように軟膏などを塗ることを治療をしています。これは下腹部の充血が取れない状態が続くことに繋がります。これが果たして正しい治療なのか?という疑問が生じます。

漢方医学では下腹部の充血を取り去る方法を持っています。下腹部が張り下肢浮腫があるときに下腹部の充血を取り去る漢方薬を使うことで下肢浮腫は減弱していきます。

これから分かる様に現代医学は「この病態がおかしい」という考え方であり、漢方医学は「この病態に必然性がある」という考え方です。現代医学は対症療法で、漢方医学は根治療法に近くなります。近い将来、二つの医学が融合される時が来るとも感じます。その新しい医学では「病気を必然として捉える」という基本哲学を基盤に出来上がると考えています。

2025/09/01更新
2025/08/31更新
すぎ内科クリニック
院長:杉

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